Q & A

中大規模木造設計セミナー時にいただいた質疑と、その回答を掲載します。

質問 20151005-1
大梁を2丁合わせにした場合の床面構造用合板の納まりはどのようになるのでしょうか。
また、注意すべき点がありますか?
標準図には記載がないとおもわれましたが。
回答
20151005-1どちらかの梁の芯で継いでください。
質問 20151005-2
標準図、特記仕様書のCADデータの入手方法を聞き逃したので再度教えていただけないでしょうか。
回答
ホームページの「設計支援」-「設計データ」をご確認ください。
質問 20151005-3
トラス(軸力系)及び単純梁(曲げ系)の断面検討を行う際、断面に考慮する低減係数(いろいろな文献等見ると30%程度の低減?)や検定比について、稲山先生のご経験上どの程度に抑えられていますか?
回答
単純梁(曲げ系)断面の低減係数は新グレー本を参照してください。
トラス(軸力系)は、キングポストトラスの上弦材などは、両側から大入れ仕口程度で母屋がかかる場合、断面係数は0.8、断面積は0.9程度とします(JISの技術解説書にも記載)。その他、上下弦材などに両側からかかる横架材がかかる場合は、その仕口の形状に合わせて新グレー本などを参照し、適切に低減係数を設定してください。
検定比は1.0以下にすることは必須ですが、実状に合わせて適切に設定してください。
質問 20151005-4
重ね梁を採用する際、ズレ止めとして接着剤やスプリットリング等あると思いますが、計算にてズレ止めの仕様を検討しますか?または計算無しである程度仕様が決まっていますか?
接着剤の場合、接着剤の種類のみ書いておけば接着方法等は記載無しでもOKですか?
回答
重ね梁はビスやダボだけではクリープに対しての変形障害が生じやすいので、ずれ止めの接着剤を併用した方が良いです。重ね梁を計算する場合、例えばビス+接着剤とする場合、曲げなどの応力に関しての検定ではビスだけ、もしくは2材バラバラで検定をクリアーするようにします。
たわみの検定をする時のみ接着剤を考慮することを推奨します。特記仕様書などに接着剤の仕様(種類など)は記載し、備考として接着方法等などは接着剤メーカーの仕様書に従うなどとしておいてください。
質問 20151005-5
標準図に示されております標準トラスは、断面サイズは検討を行い、接合部は標準図に準拠しておけば接合部の計算は省略できますか?
回答
省略できません。接合部の検討は必ず行ってください。
質問 20151005-6
JIISA3301はグレー本とは別の計算方法という認識で合っているか。
回答
JIS A 3301自体はあくまでも仕様であり計算方法を示したものではありません。
柱や梁、耐力壁、柱頭柱脚の引抜などの一般的な建物部分の計算は新グレー本の計算方法を使用しますが、トラスや耐風火打という新グレー本にはない部分の計算方法は、JIS A 3301の技術解説書を参照してください。
質問 20151005-7
高耐力壁を使用するとめり込みもきつくなると思うが、短期のめり込みに対しては検討しなくてもいいのか。浮き上がりも基礎の重量だけでは厳しいと思うが、一部の浮き上がりも許容できないのか。それとも全体の浮き上がりがなければ許容できるのか。
回答
短期のめり込みの検討は行ってください。ただし柱脚金物にWHDB160を使用した場合のみ、金物は圧縮軸力を負担できるものとし、その軸力は金物の許容耐力分+柱の断面で検討を行っても良いです。
浮き上がりは端部の基礎梁の曲げ応力の検定を行ってもらえればいいです。建物全体の浮き上がりに関しては、塔状比により新グレー本に記載されている転倒の検討を行ってください。
質問 20151005-8
高耐力壁の適用範囲は900~1000㎜のようだが、600㎜等で使用するのは主事判断か。それとも適用範囲外になるか。
回答
600㎜は適用範囲外になります。
質問 20151005-9
諫早市森山町保健センターは地震力を負担している架構に見えたのだが、計算上は負担していないものなのか、実験をして検証されたものなのか教えてもらえるか。
回答
地震力は負担していません。鉛直荷重のみ負担しており、地震力は別途設けている屋根まで立ち上っている耐力壁が負担している構造となっています。
質問 20151013-1
接合部や部材断面決定の具体例(数値等)。
回答
JIS A 3301および技術解説書を参照してください。
質問 20151013-2
グレー本に沿って中大規模の計算をしてもよいのだろうか。範囲の定めがあったと思うが。
回答
耐力壁形式であれば新グレー本にもとづき計算をしても構いません。新グレー本の適用範囲は3階建て以下ですが、床面積の規定はないので適用することは可能です。
ただし、耐力壁の壁倍率の上限は7倍までで、7倍を超える耐力壁を使用する場合は実験等で耐力壁の終局時に周辺部材の安全や、その応力に応じた基礎の検討が必要です。
質問 20151013-3
JISの木造校舎の加工形状は少しサイズが違ってもよい、とされています。具体的にどの位まで大丈夫か。
回答
JISの加工形状のまで計算を行う場合は各加工機械メーカーの誤差の範囲内としています。ただし、接合部の形状にもとづき、各自で接合部の検討を行えば加工形状が違っていても問題ありません。
質問 20151013-4
メンブレン式木造防火壁について、隣り合う木造部分は通常のように考えて1体の建物として構造検討をしても問題ないか。
回答
建物を防火壁で分けたゾーニングを行う場合、原則的には分けたゾーンごとに検討を行い、それぞれが成り立つように検討を行うことが望ましいです。
質問 20151013-5
標準図(3)6.の耐力壁においてH≦6000のとき90×120中桟で耐風梁として構造的に問題ないか。
回答
中桟に関しては、面外風圧による耐風梁の検討を別途行ってください。
質問 20151013-6
木造軸組標準図の中で受材式床構面、梁への貫通口等が表記されている。これは学校用途に限り使用可能か。一般木造住宅への使用は可能か。
回答
使用しても良いと考えます。(ただし現在実証中です)
質問 20151013-7
テキストP18の3)図のB3梁が二重になっている箇所があるが印刷ミスか。
回答
印刷ミスではありません。
質問 20151019-1
木製筋かい
仕口のめり込に対し、引張仕口の強度設計をする際に割増は必要か?
回答
保留
質問 20151019-2
ブレースをsteelにした場合、保有耐力仕口にする必要はあるか。また、割増しは必要か。
回答
ルート2以上の計算を行う場合は法的に木造でも検討が必要です。ルート2以上の場合はベータ割増しも必要です。
質問 20151019-3
面材耐力壁は塑性域まで考慮されているか。その時の仕口は。
回答
考慮されています。面材耐力壁は基本的に面材に打たれた釘の一面せん断時の釘の降伏と木材のめり込みで靭性を考慮しています。
質問 20151019-4
トラスのムクリは必要ありますか。
回答
トラスの下に建具がくる場合など、トラスが下がることにより影響が出る場合など、状況に応じ適宜ムクリを考慮してください。
質問 20151019-5
合わせ梁の大梁と合わせ梁の燃え代の合わせ方、合わせる具体的な方法・仕様について。
回答
20151019-5右図のようになります。梁同士はすき間が空かないように、
ボルトなどで適宜固定する必要があります。
質問 20151019-6
テキストP17のフロー図の『ⓐ住宅同様の柱・単純梁のみの在来工法で対応可能(トラス等を含まない)』場合の梁(集成材)の大きさはどのように決めるのか。
回答
単純梁の場合、新グレー本の検討方法などを参照して梁の断面を決定してください。
質問 20151026-1
重ね梁を利用する場合、接着剤併用するものと思うが、金物はボルトなど接合はどのようなものを一般的な工法と考えたらよいか。
回答
一面せん断の初期ガタが生じないような接合具が一般的です。最近ではあまりガタが生じにくい長ビスやラグスクリューが多いです。ボルトは初期ガタが生じやすいです。
質問 20151026-2
木やせ等による接合部の変形についてどのように考えればよいのか知りたい。(ボルトやビスを使用した場合)
回答
集成材やLVLなどは木やせによる接合部の変形は考慮しなくてもいいです。
製材の場合はビスの場合は考慮しなくてもいいのですが、ボルトを使用する場合、乾燥収縮により緩まないようなナットを使用する、緩んだ時に外れないようにするなどの配慮が必要で、定期的に点検をして増締めするなどのメンテナンスが必要です。
質問 20151030-1
完成後の木材の乾燥・収縮によりクギ、金物のガタ等が心配だが大丈夫か。
回答
20151026-2の回答とほぼ同様。
集成材やLVLなどは木やせによる接合部の変形は考慮しなくてもいいです。
製材の場合は釘の場合は考慮しなくてもいいのですが、ボルトを使用する場合、乾燥収縮により緩まないようなナットを使用する、緩んだ時に外れないようにするなどの配慮が必要で、定期的に点検をして増締めするなどのメンテナンスが必要です。
質問 20151030-2
クギ・ビスを多用する場合の品質管理は大丈夫か。  
(特に構造用合板に@60でクギ打ちして柱等が割れないものか)
回答
集成材を使用する場合、割れの危険性は低いですが、製材を使用する場合、合板釘ピッチテープなどで縁距離やピッチを適切に品質管理する必要があります。釘を打つ位置に干割れ等がある場合も注意が必要です。
【一般社団法人 中大規模木造プレカット技術協会 事務局】
担当:遠藤龍一 TEL:(0545)37-2465 FAX:(0545)37-2466
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